好きを百万回。
「折角お休みなんやし、そんな慌てて帰らんでもええやろ。なんか予定あるなら家まで送るけど」
「予定はないですけど・・・・・野波さんこそ予定は?」
「あったら姉貴の用事も断ってる」
車内にはわたしの知らない洋楽。
よく考えると、わたしは野波さんが何が好きで何が得意でどんな風に休日を過ごしているのか全く知らない。
運転する横顔をチラリと盗み見する。
どこから見ても綺麗な人。
なぜわたしの隣にいるのか不思議な気がする。
「オレの顔、なんかついてる?」
信号待ちでわたしの方に顔を向ける。
「今日、なんか印象が違うと思ったらメガネが黒縁なんですね。」
「変?」
「いいえ。イケメンは何でも似合って羨ましいです」