好きを百万回。
「木下だってなんかいつもと違う。髪型かな。いつもは下ろしてるのに今日は纏めてるんやな」
「変ですか?」
わたしはいつも銀行ではハーフアップにしているから、感じがちがって見えるんだろう。
「いや、可愛い」
予想外の答えが返ってきて、驚いて耳まで真っ赤になる。
普段車に乗ることのないわたしは野波さんがどこを走らせているのかがよく分からない。お天気が良くて、気持ちよく暖房がきいた車内で、なんとなくいつもより距離が近い野波さんが隣にいて、凄く贅沢な気分になる。
キルト、頑張ったご褒美かな・・・・・?
「・・・・・・・・・・のした!木下!」
いつの間にかウトウトとしていたらしい。野波さんはの呼ぶ声ではっとする。目を開けると、すぐそこに彼の顔。