好きを百万回。
「社食で昼飯食ってると女の子たちが寄ってきて落ち着かないんだよ。で、あそこがオレの唯一見つけた一息つける場所やったわけ」
簡単に納得出来る。みんな野波さんと接点が欲しいと思っているんだろう。
「なのにある日女の子が現れて、ああ、また居場所が無くなると思った。なのに木下って楽しそうに1人でキルトの本を読んだりキルトをしたり、完全にオレのことスルーやったよね?」
「じゃ・・・・・邪魔したらあかんと思って
・・・・・・・・・・」
「それがね、イヤやなかった。木下の横にいるとホッとした。ボタンをつける一生懸命な顔が可愛くて・・・・・」
「そんな・・・・・・・・・・」
「年寄りに優しいところも、綺麗な箸使いも、どんどん好きになってった。」