好きを百万回。
彼から溢れる言葉はわたしのことなのだろうか?
「酔っぱらった山岸の世話をする姿を見て、物凄く嫉妬したのが決定的だったなあ。一緒に帰らせるもんかって必死やったよ」
優しい笑顔がすぐそこにある。
王子様がわたしを好き・・・・・?
野波さんの手が伸びてきて、顔の右側で結んだわたしの髪の毛先を弄ぶ。
「銀行内で密かに人気あるって聞いてまた焦って」
毛先を弄ぶ手が首の後ろに回される。
長い指がうなじを撫でる。
「の・・・・・野波さん・・・・・」
ふっと笑顔が消えた。
うなじを撫でる指が後頭部を捉える。
「ホント、めっちゃ惚れてる」
引き寄せられて、少し冷たい彼の頬がわたしの頬に触れる。
次に頬に感じたのは彼の唇。