好きを百万回。
7
「バッカやないの!?」
週明け、仕事帰りに亜弥を誘って食事をする。居酒屋の個室なので亜弥も声のボリュームに遠慮がない。
「なんですぐ『喜んで』って返事しないのよ!?ウチの会社の最優良独身男子やで!」
ライムサワーにちびりちびり口をつけながら下を向く。
「・・・・・・・・・・だってよくわからへんの」
「は?」
「嫌いやないよ?・・・・・寧ろ好き・・・・・やと思う」
「ほな問題ないやない。恋愛初心者が生意気にまさか焦らしてもて遊んでるとか?」
「ちっ違う!そんな高等技術持ってない!」
「だよね」
「だって・・・・・・・・・・ちゃんと考えないとあかんと思って・・・・・彼は真剣に告白してくれてるのに『なんとなく好き』じゃ申し訳なくて・・・・・」