好きを百万回。
7


「バッカやないの!?」

週明け、仕事帰りに亜弥を誘って食事をする。居酒屋の個室なので亜弥も声のボリュームに遠慮がない。

「なんですぐ『喜んで』って返事しないのよ!?ウチの会社の最優良独身男子やで!」

ライムサワーにちびりちびり口をつけながら下を向く。

「・・・・・・・・・・だってよくわからへんの」

「は?」

「嫌いやないよ?・・・・・寧ろ好き・・・・・やと思う」

「ほな問題ないやない。恋愛初心者が生意気にまさか焦らしてもて遊んでるとか?」

「ちっ違う!そんな高等技術持ってない!」

「だよね」

「だって・・・・・・・・・・ちゃんと考えないとあかんと思って・・・・・彼は真剣に告白してくれてるのに『なんとなく好き』じゃ申し訳なくて・・・・・」
< 72 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop