好きを百万回。
「ええやないですか。空いてるんやし」
そう言いながらすぐに食べ始める。
「お人好しみたいな顔して結構ド厚かましいよね」
「杉浦さんもしれーっとして周り興味ありませんって顔してる割にはいいツッコミしますよね」
「常識教えてあげてんのよ。可愛い後輩に」
「え?オレ可愛いですか?」
「いや、あんまり」
山岸くんはあまり人に対して壁を作らず、するりと相手の懐に入り込むので普段クールな亜弥も話すのを嫌がらず楽しんでいる。
「あ、そうや!木下さん、明日の帰り約束のSホテルのケーキセットどうですか?」
「明日?うん、行けると思う。仕事、早く終わるといいんだけど」
「終わらないと怖いですよ」
山岸くんがニヤリと笑う。
「え?なんで?」
「明日、矢口さんたち医者と合コンやから」