好きを百万回。


「お疲れ様」

「お疲れ様でした」

挨拶をして帰ろうとすると、後ろから腕を取られた。振り返ると亜弥だ。

「わたしも行く」

「・・・・・?いいけど用事ないの?」

「ない。山岸にアフタヌーンティーセット奢らせる」

「えー?アレ1人3000円とかやなかった?」

「いいの、いいの。おぼっちゃまはきっとへっちゃらよ」

へっちゃら・・・・・かなあ。



山岸くんと待ち合わせしたホテルは銀行からほど近く、いわゆる高級ホテルという類だ。先に座っておいて山岸くんが来たらオーダーしようと亜弥が言うのでその通りにした。

席に着くと、おもむろに亜弥が口を開く。

「ちょっとお小言やし、ちゃんと聞きや」

お小言・・・・・・・・・・?



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