好きを百万回。


そこへ3段のティースタンドが運ばれてきて、3人でしばし見とれる。

「美味そうだね」

ふいに上から声をかけられた。聞き覚えのある声に顔を上げる。

「の・・・・・野波さん!」

「なに?こないだの山岸のお詫び?」


なんで野波さんがここに・・・・・?


「そうなんですよ。木下さんだけやなくて杉浦さんまで無理やり参加してますけど」

わたしはびっくりし過ぎて言葉が出ない。

「こまり、どうした?」
野波さんが頭を撫でながら顔を寄せる。

「の・・・・・野波さん、どうして?」

「学生時代のツレと待ち合わせなんだよね。杉浦の背中合わせにいるけど」

亜弥と山岸くんのやり取りを聞いて吹き出した人だ。

「結弦(ゆずる)!」
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