好きを百万回。
野波さんがお店の人を呼んで5人で座れるように席をセッティングしてもらう。
「木下さん、いつの間に・・・・・」
「いつの間にか・・・・・」
銀行の人には内緒にと思ってたのに山岸くんに早速バレてしまった。
「言われてみれば野波さんってこないだ僕が酔いつぶれたときめっちゃ冷たかったっすよね」
冷たかった?
タクシーに乗せてあげたのに・・・・・。
「『これ以上木下に面倒かけるな、自分でタクシーで家まで帰れ』って」
山岸くんが上目遣いで野波さんを睨む。
「当たり前。お前こまりに抱きついてたろ?殴られなかっただけでも有難いと思え」
野波さんがさらりと山岸くんに言い返し、運ばれてきたコーヒーに口をつける。