【短編】強風バトル!!
誰だ、こんな時に。
今勝負中なんだ。今ここを離れるわけにいかないのに。
でも、大事な電話だったら出ないわけにはいかない。
ふいにウィンドの攻撃が強まった。パターンからして、次は緩まるはずだ。
ウィンドが布団を引き剥がせなければ-つまり、布団を飛ばされさえしなければ、私の勝ちだ。
風が弱まった一瞬のすきをついて私は部屋の中へ駆け込み、携帯に飛びついて通話ボタンを押す。
「はいっ!!」
勢い込んで電話に出ると、
「わあっ!?びっくりした、いきなり何?」
電話の先にいた友達が驚いた声を出した。
「いや、ちょっと勝負していたもんだから!」
「勝負?何と??」
「風!!」
は?という間抜けな声を聞きながらベランダに目を向けたとき、衝撃の映像が瞳に飛び込んできた。