夢追う私たち
まともに喋ったのは、このビストロで働きはじめて
3ヶ月たった頃だった。

ーーー
ーーーーー

8月。


カランカラン…

「おー、菜耶ちゃんいらっしゃーい」

仕事のお昼休憩中によく利用している
私のお気に入りのカフェ。

店に入ると正面のカウンターから
笑顔でマスターが迎えてくれる。

「マスター!!おつかれさまです!
ラテくださーい。」

お気に入りのピンクのタンブラーを
さしだす。

「はいよー!ちょっと待ってなー。」

マスター (飯塚 謙吾イイヅカ ケンゴ)は33才。ちょっとウェーブのかかった黒髪を後ろに1つにまとめている。

どっかのアパレルのお洒落店員のようだ。

「あ!菜耶ちゃん、おつかれさま」

奥の厨房から出てきたのは、
マスターの奥さん、笑顔が素敵な夏希ナツキさんだ。
ショートボブのほんわか癒し系。

「夏希さーん!!
今日のオススメなんですかー?」

そういって、綺麗なケーキが並ぶ
ショーケースをのぞく。
このカフェのケーキは、夏希さんの
手作りだ。

「今日は、このマンゴーロールかな!
今日入荷したマンゴー、すっごい
いい熟し具合だったの。」

「へー!じゃぁ、それにします!!
あたしマンゴー大好きなんですよー!」

「そうなんだー、じゃぁマンゴーシリーズ
色々つくろうかな。」

「わーい!期待してますねっ。」
< 1 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop