夢追う私たち
「はい、熱~い告白いただきましたー。」
「…は?」
「悠貴、それなーんだ。」
スマホを指差す。
俺はおそるおそる、スマホをみる。
画面には…
《菜耶ちゃん 通話5"35 スピーカー》
「!!!?これっ…まさか…繋がってない…よな…?」
「どーみたって、秒数増えてるでしょー。繋がってるわよ。そーゆー作戦なんだから。」
「作戦?!」
姉貴の意地悪そうな顔をみて、俺は幼少期を思い出した。
この顔で散々コキ使われてた、俺…
「すいません、浅田さん。今までの全部嘘です。」
佐伯くんがさらっと言う。
「は?!ウソ?!」
「ちなみに、俺が初めてカフェに行ったときに言った言葉も嘘です。挑発するためにわざとやりました。」
と、ペロッと舌をだす。
おい…
全然かわいくねーぞ、殴りてぇー
「はぁぁぁ…マジかよ…」
通話の秒数が進んでることを確かめてスマホを耳に当てる。