夢追う私たち

「はい、熱~い告白いただきましたー。」




「…は?」

「悠貴、それなーんだ。」

スマホを指差す。

俺はおそるおそる、スマホをみる。

画面には…

《菜耶ちゃん 通話5"35 スピーカー》


「!!!?これっ…まさか…繋がってない…よな…?」

「どーみたって、秒数増えてるでしょー。繋がってるわよ。そーゆー作戦なんだから。」

「作戦?!」

姉貴の意地悪そうな顔をみて、俺は幼少期を思い出した。
この顔で散々コキ使われてた、俺…


「すいません、浅田さん。今までの全部嘘です。」

佐伯くんがさらっと言う。

「は?!ウソ?!」

「ちなみに、俺が初めてカフェに行ったときに言った言葉も嘘です。挑発するためにわざとやりました。」

と、ペロッと舌をだす。

おい…

全然かわいくねーぞ、殴りてぇー


「はぁぁぁ…マジかよ…」


通話の秒数が進んでることを確かめてスマホを耳に当てる。
< 108 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop