夢追う私たち

「俺だよ俺」

「詐欺か?!」

「お前、いちいち古いなぁ…」

後ろを振り返ると、口に手を当てて笑ってる浅田さんがいた。

あの日から3ヶ月。
なんだかんだカフェに行くと絡むようになった。

「うっさい。なんですか浅田さん…てゆうか、今日帰り遅くないですか?」

向こうのカフェの方がいつもなら1時間位早いはずだ。

「あー…コーヒーの勉強。
マスターがそろそろ教えてもいいって言ってくれてさ。」

ほんと、コーヒーの話するときは嬉しそうに笑うんだよね。
うん、
笑ってるときはいいんだよ。
いい顔してる。

「よかったですね。マスター普段は優しいけど、コーヒーの事となるとめちゃめちゃ厳しいですもんね。
じゃ、帰るんで。お疲れさ…ぐっ…」

さっさと帰ろうとする私のマフラーをまた引っ張られる。

「ちょちょちょ!
乗せてけよ。もう遅いんだし。」

「はぁ?何いってんですか?!
つーか、普通逆ですよね?!ちょっ!」
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