夢追う私たち
ピーンポーン
ガチャッ
扉をあけると
バツの悪そうな顔をした浅田さんが立っていた。
「ど…どうぞ…」
「おう。」
ローテーブルの前に腰かける浅田さん。
緊張しすぎて手に力が入る。
ミルクティーの入ったカップをテーブルに置きながら、つい早口になってしまう。
「とりあえず、ミルクティーどうぞ。
ロイヤルですよ、ロイヤル!
浅田さんよりコーヒー上手く淹れる自身ないんでこれで我慢してくださ…
言い終わるよりも前に、抱き締められた。
「なぁ」
「はははははい!!」
「ぷっ…どんだけ噛んでんだよ。
俺さぁー、この仕事に出会って働けて
めちゃくちゃ幸せだったんだ。毎日充実してて…」
「はい…」
「そりゃあもう別に彼女なんていらねーって思った位。
元々、俺に寄ってくる女なんて外見しか見てないやつばっかりだったし。
でもお前に出会って、ちょっかい出すのが日課になってさ、それも楽しくて…。素で話せるし、話してみると価値観が似てるし…」
それは私も思ってた…
「それに…元カレといい、佐伯くんといい…
やっぱり、俺はお前を誰にも渡したくねえって思った。」
「だからッ、結局のところ…何が言いたいかって…」
今度は身体をぐいっと離され
真っ直ぐ見つめられる。