夢追う私たち
嵐が過ぎ去った…
はぁぁぁ…っと大きい溜め息をつくと玲ちゃんが、
あっと声をあげた。
「もしかして…結構前にコーヒーかぶってきたのって、あの人が原因なんですか?」
私はコクリと頷く。
「え?何?なんか全然話が見えない…」
「あ、美雨さんは確か出勤じゃなかったですよー。3か月位前に菜耶さんがここで注文してた時に、浅田さんがあの人に絡まれてて…」
とここで、玲ちゃんがこちらを見るので話を引き継ぐ。
「浅田さん、アイスコーヒー持ってたんですけど、片腕を美咲さんに組まれてて…」
「で、バランス崩してバッシャーンってやつ?」
なるほどね、と美雨さんが言う。
が、それだとちょっと違う。
まぁ、わざとだったんですけどね。
と言いたいが、
その後の浅田さんと美雨さんのバトルが安易に想像できてしまったのでやめておいた。
「そろそろ戻りますかぁ。」
玲ちゃんが腕時計を見ながら言う。
ふと店内の時計に目を移すと、休憩終了10分前だった。
ごちそうさまでしたーと、声をかけて店を出る。
空を見ると、灰色の雲が広がっていた。