夢追う私たち
④
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ザァァァ…
ディナーの時間になると、大きな雨音が聞こえてきた。
「あちゃー、降ってきちゃったなぁ…
この大雨じゃあ、予約の人以外あんまり来ないかもねぇ…」
美雨さんが窓から外を眺める。
チャリ通勤の私としては、
帰る頃までには止んでもらいたい。
結局、今夜は予約の数組しか来ず…
いつもより1時間早くあがることができた。
雨も小雨になり、これなら自転車で帰れそうだ。
更衣室で着替えていると美雨さんが心配そうに声をかけてきた。
「菜耶ちゃん、私今日車で来たから乗せていこうか?
また降ってきたら危ないし…」
ものすごくありがたかったが、
次の日自転車で来れないのは辛かったし、
折角早く終わったのに二人の時間を邪魔したくはなかったから、大丈夫ですよーと断った。
この申し出を断ったことを私は後悔することになる…。
「お疲れさまでしたー。」
店の前で皆と別れる。
なーんで皆、逆方向なんだろなぁ…
同じ方向なんて浅田さんだけじゃん。
今日も練習してくのかな…なんて、
誰も居ない通りを見つめて寂しさを覚える。