夢追う私たち
「って…何してんだろ…早く帰ろ…」
自転車に腰掛け、ペダルをふむ。
ビストロから家までの道のりは、
昼間は会社員達でにぎわっているが、夜間は人通りが少ない。
歩きだったら怖いが、自転車ならある程度スピードも出るので大した怖さはなかった。
家まであと200メートルほど。
アパート前の道は、わりと急な坂になっている。
帰りは楽だが朝はのぼっていかなければいけないので、
結構キツイ。
シャーーッ
と勢い良く坂をくだる。
坂の途中あたりに、こちらに歩いてくる人がいる。
珍しいなぁ…なんて思いながら横を通り過ぎようとした瞬間
視界が反転した。
「きゃぁっ?!」
ガシャンッ
ドンッ