夢追う私たち


意味がよく理解できなかったけど、
とりあえず私の部屋のキッチンで、浅田さんがコーヒーを
淹れてくれている。
ペーパードリップで。

私も自分で淹れたりするけど、なかなか美味しく淹れられないんだよね…。


「ほら、カフェオレ。」

「…ありがとうございます。浅田さん、ブラック派ですか?」

「おう。一番コーヒーの味わかるしな。
お前はいっつもラテだよな。」

「はい。コーヒーだけって、無理なんですよね…」


私は赤色のマグカップに口をつける。


「う…」

「うまぁーっっ!!
おいしいです!浅田さんっ!!
どうやって淹れたんですか?!」

「だぁーれが教えるかよー。当然だろ。
まぁ、また淹れてやるよ、いつでも。」

「ぶー…けちー。」


でも本当においしい。

なんかホッとするな…


ってゆうか、私まだ浅田さんにお礼言ってない…。

どうしよ…ケチとか言ってる場合じゃない。

「あのっ、浅田さん…
あ…ありがとうございました!助けてもらって…
もし、浅田さんが来なかったら、私…」

ほんとに死んでたかも…

って言おうと思ったけど、言えなかった。

何か喉に引っ掛かるような感じがして、気づいたら
また涙がこぼれてた。

なんか…泣いてばっかだ、私。

もっと強いと思ってたのに。


気づいたら浅田さんが私の腫れた右頬を
大きな手で包んでいた。


…冷たくて気持ちいい…
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