夢追う私たち

朝、目を覚ますと浅田さんの姿がなかった。
時計を見ると、まだ6時だ。

帰ったのかな…?

夜、浅田さんが使っていた毛布が、私の布団の上に掛かっていた。

…て事は…
寝顔みられたぁぁぁっ…

頭を抱えながらソファーの前にある
ローテーブルに目をやると、メモが置いてあった。


《身支度があるから帰る。くれぐれも無理はすんなよ。鍵はポストに入れておく。》


やっぱり帰ったんだ…こんな朝早く帰るなら
昨日帰ればよかったのに…。
大変じゃんか…

なんて…でも多分あれは、浅田さんの優しさだと思った。
私が一人にならないようにしてくれたんだよね…きっと…。
そんなことを考えながらメモをみていると、なんだか心が暖まった気がした。

とりあえず、安静にしてなきゃだから…
もう少し寝るか…。



次に目を覚ますと、もうお昼をまわっていた。

…寝すぎた…

取りあえず、シャワーを浴びて目を覚ますことにした。
安静にしてろ、とのことだったので当然出掛ける事もできない。
あの老夫婦にもお礼を言いたかったけど…
とりあえずお礼の品もないので、後日にしよう…。
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