夢追う私たち
⑥
朝、目を覚ますと浅田さんの姿がなかった。
時計を見ると、まだ6時だ。
帰ったのかな…?
夜、浅田さんが使っていた毛布が、私の布団の上に掛かっていた。
…て事は…
寝顔みられたぁぁぁっ…
頭を抱えながらソファーの前にある
ローテーブルに目をやると、メモが置いてあった。
《身支度があるから帰る。くれぐれも無理はすんなよ。鍵はポストに入れておく。》
やっぱり帰ったんだ…こんな朝早く帰るなら
昨日帰ればよかったのに…。
大変じゃんか…
なんて…でも多分あれは、浅田さんの優しさだと思った。
私が一人にならないようにしてくれたんだよね…きっと…。
そんなことを考えながらメモをみていると、なんだか心が暖まった気がした。
とりあえず、安静にしてなきゃだから…
もう少し寝るか…。
次に目を覚ますと、もうお昼をまわっていた。
…寝すぎた…
取りあえず、シャワーを浴びて目を覚ますことにした。
安静にしてろ、とのことだったので当然出掛ける事もできない。
あの老夫婦にもお礼を言いたかったけど…
とりあえずお礼の品もないので、後日にしよう…。