夢追う私たち
ひょこひょこと足を引きずりながら、玄関に向かう。

扉を開けると、そこには茶色い紙袋を持った浅田さんが立っていた。

「えっ、なにしてんですか??」

予想してなかった人物の登場に、開いた口が塞がらない。

「あ?折角様子見にきてやったのに、なんだその言いぐさは…あーあ、誰かさんの為にわざわざラテと夏希さんの新作ケーキ持ってきてやったのになぁー。
残念…俺、帰るわー…」

と、一瞬にして不機嫌そうになり踵を返す浅田さんの袖を掴む。

「わーーーっ、浅田さま、浅田さまーっ!!
流石!!めっちゃうれしいっす!!わかっていらっしゃるーーー!!」

じっとりと睨まれるけど、負けていられない…
多分、笑顔ひきつってるけど、ラテにケーキ…
これらの為なら!!

「ほれ。あの二人もだいぶ心配してた。月曜、しんどいかもだけど顔だしてやって。」

話を聞いて、浅田さんにこれらを持たせてくれたのだろう。冷めないように、魔法瓶でできたタンブラーにいれてくれている。

コーヒーに対する愛と、美味しく飲めるようにという心遣いにジーンとする。

あ、そうだ…と
浅田さんが思い出したように言う。
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