夢追う私たち
「おわったかー?お!綺麗にできてんじゃん。
俺着替えてくるから、帰り支度しとけよ。」

「…あ!」

~っ、今渡せばよかった…今、渡したら自然に渡せたと思うのにぃ…

とりあえず、この間と今日のお礼に夏希さん達にケーキを渡す。

「菜耶ちゃん?大丈夫?悠貴君に渡すなら、明日の帰りでもいいんじゃない?ちょっとおいた方がしっとりして美味しいと思うし…」

ねっ、と夏希さんが微笑む。
コクりと頷く。

「絶対喜ぶよー。先週の土曜日、菜耶ちゃんに持っていきたいって言い始めたの、悠貴君だからね。」

「え?」

「もちろん、私達だって心配はしてたよ?でも一番何かしてあげたいって思ってたのは悠貴君だと思う。」

「そう…なんですか…?」


あー…もう。駄目だ。

だって、なんかめちゃめちゃ嬉しいもん、私。

浅田さんには、全くそんな気ないと思うけど
変に期待しちゃってる。

熱くなる顔を手で包むと、ひやっとして気持ちいい。
そんなことしてると、浅田さんがもう表に車を停めていた。
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