夢追う私たち
不意打ち…

「んぐっ…ゲホッゲホッ…」

ひーーっ!!鴨が!変なところにはいった!!

「大丈夫か、ちゃんと噛んでから食べろよー。まったく、いい年した女の子なんだから。」

お前はお父さんか!!と、思わず突っ込みたくなったが、水の入ったグラスを差し出してくれたので許そう。

「そうそう、この間店に佐伯くんがきたぞ。オススメなんですかーって。」

「え?珍しい…。何たのんでました?」

「倉持は毎回ラテだぞって言ったら、じゃぁそれでって。…そしたらさぁ、なんか急に誰か気になってる人とかいないんですかーって聞かれた。」

デザートのソルベを危うくスプーンから、落としそうになる。

「多分いないって言ったら、あいつ……」

「?浅田さん?」

急に黙る浅田さん。どうしたんだろ、眉間にシワ。佐伯くんになんか言われた…?

「…なんでもねぇー。あ、ソルベ溶けてる…」

結局、佐伯くんの話はここで終わってしまった。

ソルベの後は、浅田さんお楽しみのコーヒータイムだ。
豆の煎り具合まで選べるんだからすごい。

「あー、うめぇ…ハンドドリップで淹れてこのうまさかよ。俺もまだまだだな…。」

ちょっと悔しそうな顔。
でも美味しい1杯に出会えたことで、嬉しそうにもしている。


…よかった、機嫌なおったみたい…。
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