夢追う私たち
浅田父は、カフェ近くの公園のベンチに座っていた。
良かった…近くにいて…。
「あの…」
浅田父がゆっくりこちらを振り返る。
「君は…」
「温かい物でも飲んで、少し話しませんか?」
そう言って隣に腰かける。
「なんで、あんなこと言われたんですか…?
カフェに入る前、私には微笑んでるように見えました。…勘違いでしたか?」
浅田父はフルフルとゆっくり首をふった。
「本当はね、もう許してはいるんです。
僕は、だいぶ悠貴の事を縛りつけてきた。
学生時代なんて自由がないくらいに。
僕の夢はね、息子と共に僕の親の残してくれた道場を守っていく事だった。」