夢追う私たち


カランコロン…


「菜耶ちゃん!………お父さんと話してたの?」

店に入ると、美雨さんが駆け寄ってきた。

「あ、はい。すいません、出すぎた真似を…先にホテルに戻ってるそうです。でも…」

私はカウンターにいる、浅田さんに近寄る。

「これ、ちゃんと飲んでくれましたよ。」

空になったタンブラー、500円…そして、浅田父から預かったメモを渡した。

「…これ…」

「お父さんからです。ちなみに、お釣りは小遣いにしろだそうです。」


「…んだよ。ガキじゃねーんだから…あのクソ親父」


悪態をつきながらも浅田さんの目には少し光るものがあった。

きっとこの素直じゃない所は
お父さん譲りだと思う…。



《うまかった。頑張れ》


手渡されたメモには

力強い字でそう書かれていた。



「…つか、なに話したんだよ…」

「それはナイショです。」


良かったね

浅田さん。
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