覚醒者3号
第一章

哲平

御影市。

この街は田舎でも都会でもなく、といった程々の街だ。

特に何かがなくて不便という事もない。

映画館、ショッピングセンター、テーマパーク、水族館。

一通りのものは揃っている。

かといって必要以上に人口が多い訳でもない。

人が多いと何かと面倒も多い。

揉め事も増えるし何より騒々しい。

だから俺は適度に田舎なこの御影市が好きだ。

将来は都会に出るんだ、なんてクラスメイトも多いが、俺はこのままこの街に残り、平凡にサラリーマンでもやっていくのも悪くないかなって思っている。

刺激はなくとも、平穏が一番。

それが俺の望む将来のビジョンでもあった。

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