覚醒者3号
目の前で信じられないようなやり取りが展開される。
浮遊するベンチがミサイルのように飛び、そのベンチを黛さんが素早い身のこなしで回避する。
CGを駆使した映画の1シーンを見ているようだった。
だがこれはCGではないし、ベンチにも黛さんの体にも、ワイヤーは繋がっていない。
この目に映っているのは、全て現実に起こっている出来事…!
「……」
女性が辺りを見回す。
その仕草で、次に何を『飛ばす』か思案しているのだとわかった。
ベンチを飛ばしたのは彼女の力。
俺の靴紐を結び付けた、彼女の超能力だった。
だが。
黛さんも、女性が次に飛ばすものを探している間、おとなしく待っている訳ではない。
突然。
「!?」
俺の目前で、黛さんが『消えた』。
それは目では捉え切れない動きだとか、そういう例え話ではない。
目に映らなくなった。
視界から存在が消失した。
文字通り『消えた』のだ。
そして次の瞬間には。
「小山田君!」
黛さんは俺の真隣に現れて、俺の腕を掴んでいた。
浮遊するベンチがミサイルのように飛び、そのベンチを黛さんが素早い身のこなしで回避する。
CGを駆使した映画の1シーンを見ているようだった。
だがこれはCGではないし、ベンチにも黛さんの体にも、ワイヤーは繋がっていない。
この目に映っているのは、全て現実に起こっている出来事…!
「……」
女性が辺りを見回す。
その仕草で、次に何を『飛ばす』か思案しているのだとわかった。
ベンチを飛ばしたのは彼女の力。
俺の靴紐を結び付けた、彼女の超能力だった。
だが。
黛さんも、女性が次に飛ばすものを探している間、おとなしく待っている訳ではない。
突然。
「!?」
俺の目前で、黛さんが『消えた』。
それは目では捉え切れない動きだとか、そういう例え話ではない。
目に映らなくなった。
視界から存在が消失した。
文字通り『消えた』のだ。
そして次の瞬間には。
「小山田君!」
黛さんは俺の真隣に現れて、俺の腕を掴んでいた。