覚醒者3号
俺は思わず息を呑んだ。

発症…俺にも超能力が覚醒し始めているって事か?

「私も薬品を投与された時は同じ症状だったの。頭痛がして、しばらくしてから何かのきっかけと共に超能力が覚醒する…私の場合は身の危険が迫った時だったけど…」

「……」

頭を軽く押さえたまま、俺は黛さんの話を聞いていた。

これで名実共に覚醒者3号になっちまう訳か…。

自嘲気味に窓の外を見る。

…外には駅前のロータリーが見え、その前の道路を車が行き交っている。

ちょうど帰宅ラッシュもひと段落した所だ。

交通量が少し落ち着いてきている。

そんな中。

一台の大型トラックが走ってくるのが見えた。

よく見る10トントラック。

そのトラックが走ってきて、信号が赤に変わった所で止ま…らない。

「!?」

トラックは他の車のクラクションを浴びながら交差点を強引に通過。

大きく進路を変えながら…俺達のいるファミレスに突っ込んできた!
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