覚醒者3号
体育館に移動すると、生徒でごった返していた。
そりゃ全校生徒一斉の予防接種だ。
体育の授業の時なんて、この時期は震え上がるほど寒い体育館も、これだけの人数が集まると熱気で多少暖かく感じられた。
何にせよ、長居したい場所ではない。
三つほどある列のうち、真ん中の列に適当に並んだ。
…一番長い列だと気付いたのは並んだ後だった。
よく確認すれば良かったと思いつつ、並んでいる連中がみんな男子なのは何故だろうと内心首を傾げていると。
「あ~」
先頭が見えてきてから合点がいった。
注射しているのが、若くて美人の女性だったのだ。
年齢は二十代前半。
長い黒髪をポニーテールにした、笑顔の可愛い感じの女性。
なるほど、確かに隣の列のヨボヨボ爺さんに注射をうたれるよりは、彼女の方がずっといい。
…徐々に列がはけていき、俺の順番が近付いてくる。
女性の左胸のネームプレートに、『黛(まゆずみ)』と書かれているのが見えた。
そりゃ全校生徒一斉の予防接種だ。
体育の授業の時なんて、この時期は震え上がるほど寒い体育館も、これだけの人数が集まると熱気で多少暖かく感じられた。
何にせよ、長居したい場所ではない。
三つほどある列のうち、真ん中の列に適当に並んだ。
…一番長い列だと気付いたのは並んだ後だった。
よく確認すれば良かったと思いつつ、並んでいる連中がみんな男子なのは何故だろうと内心首を傾げていると。
「あ~」
先頭が見えてきてから合点がいった。
注射しているのが、若くて美人の女性だったのだ。
年齢は二十代前半。
長い黒髪をポニーテールにした、笑顔の可愛い感じの女性。
なるほど、確かに隣の列のヨボヨボ爺さんに注射をうたれるよりは、彼女の方がずっといい。
…徐々に列がはけていき、俺の順番が近付いてくる。
女性の左胸のネームプレートに、『黛(まゆずみ)』と書かれているのが見えた。