覚醒者3号
顔立ちこそ綺麗なのに影のあるその女性は、無表情のまま立っている。

「…あの…俺に何か?」

明らかに初対面だ。

俺の方には呼び止められる理由が思い当たらない。

第一、この人何で俺の名前知ってるんだ?

色々思考を巡らせながら、半ば睨むように女性を見ていると。

「いきなりだけど」

女性に表情が現れる。

その顔に浮かぶのは、神妙な表情。

これから告げる言葉は、俺にとっては悪い知らせ以外の何物でもない。

女性の表情がそう訴えていた。

そして唐突に。




「君、狙われているわよ」



女性はそんな不穏な言葉を口にした。
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