ヒスイ巫女
コンコン
医務室のドアを叩く音が聞こえた。
「どうぞ」
ヒスイの声を聞いた後ドアが開いた。
すると小さなおばあさんが立っていた。
「巫女様がヒスイ様、陸様をお呼びです」
ヒスイが陸の手を握った。
巫女様に対して恐怖心があったからだ。
巫女様の命令にはよほどの理由がない限り背く事はできない
ヒスイと陸は命令に従った
「巫女様お呼びの者達です」
「通せ」
を合図に障子が開いた。
巫女様の部屋はとても広く和風の部屋で風情が漂っていた
その部屋に巫女様はいたが奥の部屋にいるので顔は見えない。
「何の用でしょうか巫女様」
多少緊張しながらヒスイが問いかけた。
陸が横にいたので少し落ち着いていた。
「ヒスイに治癒能力を使って仕事をして欲しい。もちろん陸も一緒にだ。」
ヒスイは陸のことばを思い出していた。
(「あのババアに何か言われても何もしてはいけないからな」)
その言葉が頭の中にありヒスイは返事が出来なかった。
・・・・
「巫女様、私達兄妹は仕事をやらしていただきます。兄である私がヒスイを引っ張ってまいります。では」
陸はヒスイのこの様子を見て行動を起こした。
即時に巫女様の部屋から出た
「お兄ちゃんありがとう。助かったよ。」
緊張が解けヒスイはほっとしていた。
「ヒスイえらかったぞ」
くしゃっとヒスイを撫でた
「じゃあ仕事場行くか」
陸は仕事場まで案内してくれた。
楼宮の唯一、一般人が入れる
場所である
一般人と言っても社長や時期社長などの金持ちばかりだ。
癒都
それがこの部屋の名前
ヒスイと陸が癒都のドアの前に立った。
ヒスイと陸が立つと自動で開くドアのようだ。
植物園のような植物の数々
人の心を落ち着かせる力がある
部屋というより外の世界だが自然と下界と違う雰囲気を感じる。
癒都には少しの人が座っていた。
怪我を負っている者
病気の者
憑いている者
治癒能力を得た二人には人間ではない者が見える。
それぞれの悩みがあり最後に噂で流れている
絶対に治る場所そこを最後の綱として訪れる。
座っていた人々はヒスイ達を見ると
「治癒の恩恵を、我らに」
と頭を下げるのである
ヒスイは戸惑っていた
子供であるヒスイに大の大人が頭を床に擦りつけるのである
それほどまでに人々は追い込まれているという事だ。
ヒスイの両手を陸は握り、向かい合うように膝立ちをした
ヒスイも慌てて膝立ちをする
陸は下を向き力を集中していた。
ヒスイも慌てて集中する
集中するとお腹の辺りが熱い
段々とお腹から頭側に上がっていき
「「ケアー」」
息ピッタリだった。
ヒスイが感じた熱い感覚は治癒能力が凝縮された物
それは治癒能力をもつ者にしか分からない力だった
ピンク色の光が人々を癒していく
突如、陸が癒都からヒスイをひっぱり出た
「お兄ちゃん?!」
「いまから眠り薬がまかれるここに来た人々は夢だと思いめが覚めるそして傷は癒えているこうでもしないと癒都に人が増えすぎる」
淡々と話す陸にヒスイは
(かっこいいな)
と思っていた
仕事は月に1回少ない時は少ないが多い時はすごく多いと変動する
ヒスイの力でたくさんの人を救う事が出来る場所だった
ヒスイはいきこんでいた
たくさんの人々を救おうと・・・
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