ヒスイ巫女
ある日の明朝
ヒスイは外が騒がしく目を覚ました
ヒスイの住んでいる楼宮には使用人が山ほどいるのだがいつも騒がしくなどしない
私達が話しかけない限りは・・
「何かあったの?」
使用人の1人に話しかけた
「あ、あの・・・」
と言いにくそうだった
「来香様が倒れられました」
「えっ!!」
ヒスイは声をあげるなり来香のいる部屋へと向かった。
来香の部屋には蒼と蛍がいた
来香は苦しんでいて床にふせっていた
二人は心配そうに来香を見るだけで何もしていなかった
できなかった
そこに陸が入ってきた
来香の元に一直線に行ったと思うと
両手を重ね
「ケアー」
とこえをかけた
すると陸の手の周りにピンク色の光が溢れだした
その光を来香さんの腹部にあてた
だが陸は苦い顔をした
「症状が進行していて俺では手の施しようがありません」
「お兄ちゃんって事は来香さんはどうなるの?」
「このままだったら確実に
・・・死ぬ」
声も出さずなぜか来香の元にヒスイが近付いた
両手を重ね目をつぶり強く念じているようだった
「・・・ケアー」
誰もが何をしているのか分からなかっただが一瞬にして
理由を知る
ヒスイの手からピンク色の光が溢れだした
しかも陸の光より大きい光の塊が溢れ出していた。
来香はその光を受け苦しがっていた顔がほっとした顔になった。
だが同時に何かを気づいたようだった。
ヒスイのガッと肩を持ち
「ヒスイちゃんまさかあなた
治癒能力を持ってるんじゃないよね」
ヒスイは自分のした事が分からず自分の手を見つめるだけだった。

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