きみのことがすきなんだ。
教室に戻ると昼休み後半ということでほとんどの子が掃除場所にいったのか、クラスメートがまばらに教室内で散らばっていた。
仲のいいクラスメート数人に「おかえり」と迎えられたのを軽い相槌で返事をし、私は自分の席に座る。
「はぁー」というあからさまなため息をつくと同時に体が脱力して上半身が机に寝転んだ。
(……やっぱ、彼氏が出来たんだから、ああいうのは当たり前なんだよなぁ)
いや、分っているつもりなんだけどな、うん。やっぱり。
(つい、妬いちゃうんだな、コレが)
「はぁぁぁぁ。」
寝転んだまま腕を組み、その腕の中に自分の顔を埋めて本日二回目の深いため息。
「ため息すんな。こっちまでテンション下る」
こつんと、硬い何かが私の頭を小突いた。
それにのろのろと顔を上げ反応をすると目と鼻の先に相手の人差し指をちょっと離した拳があった。(多分私はこの人差し指に小突かれたんだろう)
「……緋由」
「どうしたの?元気ないね」
「どーしたもこーしたもねーよ……」
そういうと私はまた顔を元場所に戻してため息をついた。
「だからつくなって」と緋由に言われてまた小突かれたけど受け流した。