やばいトコを見られたっ!
「それにしてもさー、これって、イッシ君に言った方がいいと思う?」


「だって、そのつもりで、あとをつけてきたんじゃないんですか?」


「そのつもりだったけど……なんか、迷ってきた」


だって、どう考えても。

あの女の人には、大学生のイッシ君より、今一緒にホテルに入っていった、スーツ姿の、彼女と同年代の男性の方が、お似合いに見える。

この写真を見せたら、イッシ君は傷つくかもしれない。



「とにかく、帰りましょうよ。いつまでもここにいても、ナンですし」


「そうね」


リクの言葉にうなずいて、帰ろうとしたそのとき。

リクの腕を、ごっつい指で、グっとつかんだ人物がいた。


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