やばいトコを見られたっ!
「帰るぞ」


「あ、待って」


歩き出そうとしたイッシ君の腕を取って、引き留める。


「もう少し、時間つぶしてから帰ろうよ」


「なんでだよ」


「今ね、イッシ君の家に、しおりちゃんとリクがいるから」


「リク?」


「ほら、あたしと同じバイト先で働いてる、しおりちゃんの同級生の男の子。
あたしと一緒にいて、交番に連れて行かれた子だよ」


「ああ……って、それじゃあ、なおさらすぐに帰らないと!」


イッシ君が、あたしの手をふりほどいて帰ろうとする。

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