やばいトコを見られたっ!
「いろいろ、辛かったんだな。

お前、すごく頑張ってきたよ。

嫌味を言った相手には……

ちゃんと謝ればいい」


「うん、謝りたい。

あんな意地悪なこと言っちゃって、ずっと後悔してたの。

本当だよ」


あたしの頭に、イッシ君がコツンと頭をつけてきた。


「あとさ、お前にだって友達はいるぞ?

だって、俺って、もうお前の友達じゃねーの?

友達ですらなかったら、こんなに長く居候させてねーだろ」


そんな言葉に、涙があふれてしまう。

「ありがとう」

消えそうに小さな声だったけど、イッシ君にはちゃんと届いたようで。

イッシ君が、もう片方の手で、あたしの右手をきゅっと握ってくれた。

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