やばいトコを見られたっ!
彼の過去
***
イッシ君は、足元にあった小石を蹴った。
それは、コンコンっと乾いた音をあげながら、転がっていく。
「お前はさ、俺のことをうらやましいって言うけど……
俺にもあるんだぜ。
お前のこと、うらやましいって思うこと」
「えー、イッシ君があたしをうらやましがることなんてある?」
「ある。お前はさ、実の母親のこと、ちゃんと知ってるじゃないか。
俺は、実の親の顔、知らないから。
本当の母親をちゃんと知ってるっていう点は、お前がうらやましい」
「え?」
「俺、養子なんだ」
イッシ君は、足元にあった小石を蹴った。
それは、コンコンっと乾いた音をあげながら、転がっていく。
「お前はさ、俺のことをうらやましいって言うけど……
俺にもあるんだぜ。
お前のこと、うらやましいって思うこと」
「えー、イッシ君があたしをうらやましがることなんてある?」
「ある。お前はさ、実の母親のこと、ちゃんと知ってるじゃないか。
俺は、実の親の顔、知らないから。
本当の母親をちゃんと知ってるっていう点は、お前がうらやましい」
「え?」
「俺、養子なんだ」