やばいトコを見られたっ!

「行くぞ」


イッシ君に手をひかれて、ブランコに向かう。


「あ、でも、リクとしおりちゃんを二人きりにしてるのが心配だから、早く帰らないといけないんじゃなかった?」


そもそも、それが発端であたしの過去の話になったんだった。


「お前、リクは信用できるって言っただろ。お前のその言葉を信用するよ」



それから、イッシ君は、あたしをブランコに乗せて。

背中を押してくれた。


綺麗な月に向かって、高く、高く。

風を切って、もっと高く。


二人きりの夜の公園に響く、あたしとイッシ君の笑い声。


< 173 / 248 >

この作品をシェア

pagetop