やばいトコを見られたっ!
しおりちゃんは、窓の外に目を向けた。
街路樹が、風に揺れている。
静かに、ティーカップに視線を戻して。
しおりちゃんが、口を開いた。
「わたし……アザがあるんです。
右胸の下あたりから、わき腹の方まで。
それ、誰にも見られたくなくて。
だから、男の子と付き合ったりしたくないんです。
だって、その……
付き合ったりしたら、いつか、そういうことするときに見られちゃうと思うから……」
「ん? つまり、『アザを見られるのが嫌だからHはしたくない。Hできないから、自分は誰かと付き合ったりできない』っていう意味?」
しおりちゃんは、真っ赤になって、うつむいた。