やばいトコを見られたっ!
出て行こうとすると
「待ちなさい」
イッシ君のお父さんに、呼び止められた。
ゆっくりと振り向くと
「君は……カズシのことを大切に思ってくれてるんだね」
お父さんがそう言ったから。
「はい」
はっきりと、そう答えた。
あたしをここに連れてきた人たちが、車で送ってくれるというので、最寄りの駅まで送ってもらった。
そこで、あたしは、スマホを取り出して――
あの週刊誌「ウエンズデー」を発行している出版社である、講英館に電話をかけた。
「新原と申しますが、松崎常務につないでいただけますでしょうか。大事な用なんです」