やばいトコを見られたっ!
覚悟のホテル
***




「いやー、あの夜は、本当にひどい目に遭ったよ」


都内のホテルのバー。

カウンター席であたしの隣に座った松崎さんは、そんなことを言いながら、あたしの太ももに手を乗せてきた。


「君はいきなり廊下に飛び出すし、わけの分からない男に殴られるし」


「すみませんでした」


「別にね、その報復であんな記事を書かせたわけじゃないんだよ?

たまたま、うちの写真週刊誌のカメラマンが、君たちのことを見つけちゃっただけで」


「分かってます」

< 229 / 248 >

この作品をシェア

pagetop