初恋は一言から
”どうか当たりませんように”と書いてある顔を眺めながら僕は名前を呼ぶ。
呼ぼうとした。
「……よろしく!」
そう言って一番近くにいる教師に渡す。
ちょっと見慣れない漢字だったもんだから読めなかったなんてのは気のせい。
気のせいだ。
「えっと、刹戯 咲憐(せつぎ しょうれん)さん」
「うっそ最悪…」
ん? 中性的な見た目の先生か。
愚痴をこぼしているようにも見受けられるが…
「刹戯先生、どうかしましたか?」
「いえ‼︎精一杯やらしていただきます」
僕の思い過ごしかな?
「じゃあ解散する前に1つ」
「?」
おお、クエスチョンマークがみんな頭に浮かんでいる。
「各クラスの問題児リストの制作をお願いします。 期限は来週の金曜日まで」