初恋は一言から
コンコン。
誰かがドアを叩く音で目を覚ます。
誰だ?
「魅火流?ちょっと中に入ってもいい?」
なんだ、魏姫か。
もうこんな時間なのか。
別に入られて困るような物もないので返事をする。
「ああ」
カチャ。
「どうした魏姫?何か用か?」
多分この時間から例の部屋の夕食の呼び出しか?
「いや、もう夕食だから例の部屋の人たち呼びに行ってもらおうかなって…」
ビンゴ。
マジで当たった。
「ん。わかった」
今気づいたが、魏姫視線が頭に向かっている。
寝癖ついたままなんだっけ。
起きたばっかりだから。
さっさと例の部屋の奴らを呼びに行こうと腰を起こす。
が、何かに引っ張られてとまる。
「魏姫?」
なんと魏姫に引っ張られていた。
すっごい赤面している。
「……ぁ…ぅ」
「えっ?」
なんて言ったんだ⁉︎
珍しく照れてるし⁉︎
なんか可愛いし…
「…ありがとう。あたしの気遣ってくれて」
なんだ。もうかーさんに聞いたのか。
「そんなこといいよ。それより明日忙しいから早く寝ように頑張ろーな」
そう言って俺は魏姫の頭をポンポンする。
「じゃああいつら呼びに行ってくる」
「うん」
じゃあ早く呼びに行って夕食にしますか。
改めて思い返すと今まで以上に魏姫が可愛く見える。
疲れているのか…?