初恋は一言から
チリーン。
うわぁ。
2年Aクラスってインターホンの音、鈴なんだ。
なんだか気持ち悪い。
「誰だ?」
「あたし。魏姫」
「総長ですか。どうぞお入りください」
カチャ。
ドアノブに手を回しドアを開ける。
中は…とても生活感溢れる教室だった。
真輝音、絶対去年も同じ教室だったでしょ。
今の1年Aクラスが去年の3年Aクラスみたいになっているのだと思う。
ほぼ確実。
「総長、今日はどうされたのですか?」
なぜ敬語⁉︎
いつもタメ口なのに?
「和江、敬語はやめろ。お前がやると気色悪い」
「えーそんなこと言わないでよ総長〜」
「いつものバカなお前に戻れ」
「しょうがないなぁ。まさか総長、こういうキャラが好みなんですか?」
「あれぇ?なんかサンドバックがあるなぁ…殴ろっかなぁ…」
「すいませんでした」
わかればいい。
あたしはそもそも好きなタイプがないと思う。
人を好きになった事なんてないし。
「総長、今日は何の御用で?」
「テストの結果を聞きに。合計点数教えて」
「うんいいよぉ〜えーと793点だった」
「793点か…」
どうやら魅火流が言っていたことは本当のことだったらしい。
嘘をついているとは思っていないが。
「何で間違えた?」
「国語‼︎」
そんなに嬉しそうに言うな。
ヘコむ。
「国語のなんの問題で間違えたの?」
「漢文」
でた。
噂の漢文が。
(噂になんてなっていません)