初恋は一言から
「何が出た?」
「春望を漢文、書き下し文、さらに漢文の意味を書けって問題」
うわー面倒くさい。
完全に暗記問題じゃん。
うん?
「真輝音、それテストに出やすいから覚えとけって言ったよな?」
「あ、そうだっけ?あははははー」
駄目だ。
こいつ絶対忘れてた。
「再テスト受けろよ」
「はーい」
こいつ本当に分かってるか?
今日は真輝音を疑ってばっかりいる。
反省しなきゃ。
「じゃあ私はこれで。失礼する」
「ちょっとまって総長‼︎迅竜の集合場所とか聞いてる?」
「ううん」
学園内に集まる場所があるんだ。
確かに許可なく外に出れないし。
「じゃあ後でメールします」
「ありがとう」
ぺこりとお辞儀をし、笑顔で手を振っている真輝値の2年Aクラスを後にした。