初恋は一言から
「いいよ、もう帰って」

お、物分かりいいじゃん絶賛炎上中の氷瀬乃。

「車呼ぶ?」


「魏姫が決めていいよ〜俺はどっちでもいいし」

うーん。車も楽だけど頭の中に地図入れておきたいし。この学校の。

「じゃあ、歩いて帰るか」

「うん」

「また後で、よろしく」

うん?

今何で氷瀬乃"また後で"っていたの?

この後会う予定なんて無いんだけど……

「氷瀬乃、何でまた後でっていたの?」

「うーん…じゃあ帰りに真輝音のところによって一緒に帰ったらわかる」

「あっそう」

なんとも曖昧な解答だな。

何ではっきり言わないのかな?

そんなことを思いつつ魅火流と2人で教室を出る。

出た瞬間、魅火流は衝撃的なことをいった。

「魏姫、何でうなされていたの?」

「えっ?」

全くもって身に覚えがない。

何のことを言っているのだろう魅火流は。

「なんで不思議そうな顔してるの?あんなに寝苦しそうにしていたのに覚えていなのか?」

「うん」

「あっそう…思い出したら教えて。相談でもなんでも乗るから」

「ありがと」

魅火流の優しさが身にしみる。

こういう時にいい人に恵まれているなと思える。

「じゃあ、真輝音先輩のとこのに行くか」

「OK魏姫。隣の教室だよね」

「うん」
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