初恋は一言から
「総長ぉ」

「なんだ芹先輩。たくあんならあげませんよ」

「そうじゃなくてぇそろそろ食べ終わらないとぉ…遅刻?」

若干嬉しそうな顔をして遅刻と言ってきた。

時計を見ると…はっ⁉︎

「集まりって何時から?」

「「11時から」」

アウト‼︎

ただいまの時刻、10時40分。

どうやっても食べ終えて集まりに行くには時間が足りない。

「なんでもっと早くに言ってくれないんすか⁉︎」

時間がないとわかっていたらもうちょっとスピードあげて食べてたのに‼︎

「だってぇ幸せそうな顔して食べているぅ後輩が可愛かったんだもん♪」

「芹、いい加減にしないとキレるぞ」

「ごめんなさい…でも幸せそうだったんだもん。ね?」

「うん。幸せしそうな顔してたよ魏姫」

「先輩の言う通りだと俺も思うよ」

うっ、なんだかあたしが悪いみたいな雰囲気になりかけている気がした。

「それはともかく急ぎましょ…⁉︎」

「「「ごちそうさまでした」」」

急ごうと言おうと思った矢先、先にごちそうさまをされてしまった。

あたしまだ食べ終わってないんですけど⁉︎

おい、なんなんだよその置いてきますアピールは‼︎

新たな嫌がらせか⁉︎

「総長、遅いです。早くしてください」

黙れ真輝音。

あたしは食べることに精一杯なのだ。

話しかけないでほしい。

ついでに言うと死んでもらっちゃ困るけど半殺しにしたい。
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