初恋は一言から
「じゃあ出発進行‼︎ということで運転手さん、“あれ”よろしく」

よくよく見ると刹戯の車、昨日のと同じだ。運転手も。

つまり…

「…暴走⁇」

「ナイス魏姫!その通り。じゃあ始めてちょ」

ちょっと心の準備がまだ出来てないんですが‼︎⁇

「えーっと魏姫。もしかして…これやばいパターン?」

「うん」

真っ青な顔で魅火流が聞いてくる。

そういやぁ魅火流、酔いやすいんだっけな。

ドンマイ。

幸運を祈ってるよ。

一方、先輩2人はと言うと。

「暴走かぁ。楽しみだな…ね、芹先輩⁇」

「ああ」

いつも通りマイペース(?)でした。

「3、2、1 GO‼︎‼︎」

刹戯の掛け声と共に車が発進する。

ギュンギュン車は向きを変えながらものすごいスピードで走っていく。

多分、昨日よりもスピードが上がっている。

遠心力半端ない。

うえぇ…酔ってきたぁ…ぎもぢ(気持ち)がわるい…

「イエーイ‼︎‼︎サイコー!」

昨日よりもテンションが上がっているようです刹戯。

酒でも入ってんじゃないの?

一方、酔いやすいことで有名(?)な魅火流はと言うと。

「………うっぷ」

無言で必死にリバースするのを抑えていた。

ここで吐瀉物撒き散らされたら自分も相手もやだろうしね。

ちなみに先輩方は。

「うーあーうぁーいぉえーいうぉ!?」

「…いえーい」

謎の奇声を上げている真輝音先輩と楽しんでいるのかどうかわからないような芹先輩。

結構慣れている様子にも見える。

変な奇声上げながらもきちんと笑っている。

目は死んでいるようなきがするけど。
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