十日目の判決 -完-





忘れたところでやってくるローファー。別に忘れてたわけではないけど、そろそろ土足で私の中の善良な部分が罪悪感で溢れてしまうぞ。

廊下にローファーで立って良いわけないだろ。



「私、帰る」

「はぁいー!じゃあまった明日ねぇ〜!!!!ギャハハ!!!」


妖怪スピーカーの盛大な笑い声に背を向けて私は一刻も早く廊下から足を追い出す。


厄介な日だな。ほんと。


結希が浮気か…。もし本当にそうだとしたら妖怪スピーカーは浮気されたという事になるのか。


浮気ってそういうことなのかな。
付き合っている人がいるのに他で異性と…

異性と?他の異性とどうするんだ?放課後一緒に帰ったり?するの?

そういや妖怪スピーカー、男の正体突き止めるとか言っていたな。あれが大人しく尾行できるのか?

無理だろあれ。

ああ、まだ耳がキンキンする。


浮気って一体何なんだ。まだまだ明るい外へ出てやっと家の方向へと歩き出しながら考える。

最近、政治家の女性の人が路上で男性とキスをして週刊誌に取り上げられてたな。
それをテレビか何かが数年前に他界した夫を追って妻の女性が政治家の夫の位置を継いで…んたらかんたらニュースに取り上げた。

よく分かんないけど、亡き夫の代わりに頑張る妻が他の男性とキスだなんて世間がどう思うより私は当人が思っているのか気になる。


政治家も大変だな。





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