十日目の判決 -完-
私は椎名から休み時間の度に身を隠した。
できるだけ椎名と会わないように。
結希は律儀に、
さっきの休み時間も来てたよと教えてくれる。
結希は気付いてる。
でも、何があったのか聞いてはこない。
結希が聞ける立場じゃない。
結希もそれを分かってる。
…もどかしい。
今のこの状況、嫌いだ。
上手く、息が出来ないような感覚。
イライラしてる。
私が悪い。私が悪いのだ、
それを直接訴えないのが辛い。
結希も言えばいいのだ。
はっきり私に言えばいいのだ。
1年の終わり頃、
私にあった変化。
椎名が中心だった私の心は、
変わっていった…私の心の中心から、
…椎名は外れていた。
私の生活から、
椎名はいついなくなってもおかしくなかった。
嫌いになったんじゃない。
冷めたんじゃない。
自然と、椎名を私は離していた。
そして、2年生になって、
はっきりと椎名と私の間には距離が出来た。
私は無意識だった、
その距離にはっきりと気付けなかった。
椎名だけは変わらず私を見ていたのだろう、
椎名は私との変化に気付いていた。
元凶は、私だ。