十日目の判決 -完-






私は椎名から休み時間の度に身を隠した。
できるだけ椎名と会わないように。


結希は律儀に、
さっきの休み時間も来てたよと教えてくれる。



結希は気付いてる。
でも、何があったのか聞いてはこない。

結希が聞ける立場じゃない。
結希もそれを分かってる。



…もどかしい。
今のこの状況、嫌いだ。


上手く、息が出来ないような感覚。


イライラしてる。
私が悪い。私が悪いのだ、

それを直接訴えないのが辛い。


結希も言えばいいのだ。
はっきり私に言えばいいのだ。






1年の終わり頃、

私にあった変化。



椎名が中心だった私の心は、
変わっていった…私の心の中心から、


…椎名は外れていた。


私の生活から、
椎名はいついなくなってもおかしくなかった。


嫌いになったんじゃない。
冷めたんじゃない。


自然と、椎名を私は離していた。


そして、2年生になって、


はっきりと椎名と私の間には距離が出来た。


私は無意識だった、
その距離にはっきりと気付けなかった。


椎名だけは変わらず私を見ていたのだろう、
椎名は私との変化に気付いていた。




元凶は、私だ。









< 125 / 141 >

この作品をシェア

pagetop