十日目の判決 -完-
自覚はあった。
私がそんなことを思う資格なんてないと。
結希と椎名をよく知ってるからこそ、
許せなかった。
一度、惹かれ合い触れ合った2人の
心の内がわかってしまう私は…
椎名を取られたくないという勝手な感情で、
私は結希を守って
椎名を突きはなした。
私だから分かる、あの時…
昨日、言葉を詰まらせ泣きながら話す結希に
椎名は心を持っていかれていた。
椎名は結希を好きになっていた。
また、私の勝手な独占欲が動く。
結希を好きになるな、
私を好きでいて…。
私は椎名のことを前みたいに想ってなんかいない、
だけど、椎名には私を好きでいて欲しいと。
とことん私はクズだ。